地元画家の永井等さんが展覧会 湯河原町立美術館で4月26日まで
湯河原町在住の画家、永井等さん(43歳)が、町立美術館で初の展覧会を開いている。永井さんは学生時代からこれまでに400を超える作品を描き続け、数々の展覧会に作品を送り出してきた。今回館内に並んでいる15作品の主なモチーフは深呼吸したくなるような大自然。海岸を散歩して発見した貝殻や、山で拾った昆虫の羽根の輝きを発想の源に、絵筆を動かしているという。作品の中に海砂を絵の具に溶いて描いた作品がある。これは永井さんの故郷・茨城県ひたちなか市の海辺ですくったものだ。展覧会の直前に同市は東日本大震災で被災、永井さんの実家も家具などが倒れ、建物の多くは今も瓦が落ちたままだだという。しかし永井さんは「展覧会が第一」と湯河原で絵筆を握り続けた。「自然に対しては感動も畏れもある。時には耳を傾け、力を借り、共に生きねばならない存在」。作品にはみずみずしい自然とともに、怖いほどの静寂や感情をも塗りこめられている。会期は今月26日まで。■町立美術館【電話】0465(63)7788