唐桑地区、漁業と地域経済の復興へ 報徳の発想で被災地を支援 ボランティアツアーの参加者を募集
東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市唐桑地区の復興を支援する「唐桑復興支援協同体」がこのほど発足した。養殖事業再開と、出荷再開までの約2年間無収入となる漁業者への支援を中心に、小田原発着のボランティアツアーが7月から本格的にスタートする。
唐桑への支援は、報徳二宮神社(草山明久宮司)が震災直後に現地を訪れたことから始まった。以前から交流があった早馬神社へ何度も物資や義援金を届けながら、早馬神社や漁業者と復興へ向けた具体的な施策を検討した。
カキやホタテなどの養殖が盛んな唐桑は、津波により壊滅的な被害を受けた。カキの成長には2〜3年かかるため、早く動き出さなければ収穫は年単位で遅れる。そこで、報徳二宮神社・報徳会館の職員が5月に訪れ、ガレキ撤去やいかだ作りなどを手伝った。
ボランティアツアーでは、こうした養殖再開の準備を手伝い、被害が大きかった湾岸周辺を見学する。ツアー代金には復興支援金が含まれている。「漁業者の生活を支えるとともに、加工業や観光飲食業など、唐桑周辺の地域へ経済効果を派生させる仕組みを作っていきたい」と草山宮司。地域にお金を生み出し、自分たちの力で再起するための支援方法は、二宮尊徳の報徳仕法によるもの。「作業を通して3年後の収穫が楽しみになりました。唐桑もツアー参加者も、全てプラスになれば」と報徳会館の職員は話している。
名鉄観光サービス小田原支店の協力のもと、小田原発着のツアーは7月14日発16日着と8月5日発7日着に予定。定員は25人。問合せ・申込みは同支店【電話】0465(23)3238まで。協同体では義援金の募集の他、視察ツアーや復興支援セールなどを企画している。詳細はホームページwww.karakuwa.jp。