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湯河原文学賞小説の部に花月さん(大阪堺市)の 「友」

公開:2012年3月2日

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 第11回湯河原文学賞小説の部最優秀作品に、大阪府堺市の花月さん(ペンネーム・男性)の「友」が選ばれた。今回は締切の11月末までに計153作品の応募があった。最優秀作は小説NON6月号(5月22日発売)に掲載されるほか花月さんには賞金50万円が贈られる。花月さんの執筆歴は約15年。身内の死を書き残したい、とペンをとり始め、現在に至る。作品は花月さんが長年温めていた物語で、主人公には「ガキ大将」だった自身の過去も反映しているという。受賞について「ファンであり尊敬する西村京太郎先生が選者のお一人なので、喜びもひとしお。本当に嬉しい」。ペンネームの「花月」は観葉植物「金のなる木」の別名でもある。今後の目標として「人様にお金を払ってでも読みたいと思ってもらえる作品を書き続けたい」とコメントした。

 ▼あらすじ…大阪・堺の港町。小学四年生の勇はクラス一の腕白者だが、両親の言いつけで、クラスメートでいじめられっ子の正一のサポートをするようになる。勇の両親はかまぼこ屋を営んでおり、正一の父親が経営する問屋を得意先としていたのだ。最初は仕方なく正一と付き合っていた勇だったが、次第にお互い心を開いていく。しかし、正一の父・大造が町長選挙に出馬することになり、それに勇の父・清が協力しなかったことから、両家の関係も仕事の取引も解消され、かまぼこ屋の経営が傾く。そしてそれは勇と正一の関係にも及ぶ。選挙の結果、大造は落選、さらに不正に手を染めており、そのため莫大な借金を背負ってしまったことで、大造は正一を連れ、夜逃げ同然に町を去る。勇は、様々な局面で大人たちの嫌な部分を見てしまったため、大人になんかなりたくないと思う。大造がいなくなったため、勇の両親が経営するかまぼこ屋は勢いを取り戻したが、あまりの忙しさに父の清が過労で倒れる。清は病床で、勇の憎むべき相手である大造が、父の命の恩人であり、かまぼこ作りの師匠であり、友達だったことを告白する。驚く勇。だが清はそのまま亡くなってしまう。一家の大黒柱を失い、路頭に迷う家族。そんな中、清の通夜が執り行われるが、その席に大造が変わり果てた姿で現れる。病床での父の言葉を思い出した勇の提案で、大造がかまぼこ屋を手伝ってくれることになった。改めて、二人の友情を知った勇は、自分と正一の友情にもヒビが入っていないことを確認する。勇は、大人になるのも悪くないなと思うのだった。
 

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