学校ごとに異なるいじめ防止策 アンテナどう巡らす
各中学校には週1時間の道徳授業の中で命の大切さや友情などについて学ぶ機会がある。いじめなどを察知するためにアンケートを年2〜4回ほど実施する所が多い。箱根町の中学職員の一人は「アンケートだけでは(変化を)読み取るのは難しい。昼休みも休み時間もできるだけ生徒の傍にいるようにしている」。熱海市の中学校では「アンケートは実施して生徒の人間関係を調べているが、うちは生徒数が少ない分一人ひとりと関わりやすい」と話していた。湯河原中のアンケートは月1回程度と比較的多かったが、自殺した生徒が悩みを記すことはなかったという。
「相手の気持ち」を知るために、学活の時間を使ってゲームなどを織り交ぜたディスカッション(=グループエンカウンターとも呼ばれる)を行う学校もある。箱根中学校では今月上旬、全クラスで「なぜ人は悩むのか」「どういう場で解決すべきか」などの話題について生徒が意見を交換。「悩みは自分の中で消化しきれるものではない」と理解を深める狙いもあった。また日頃から学年集会などで「自分がされて嫌な事は相手にしない」「相手がどう受け止めるかが行動基準」と話しているという。
真鶴中学校では昨年から年6回のディスカッションに取り組む。他人の良いところを探す、言われて嫌な事、褒められる嬉しさなどを生徒同士が分かち合い、ことばの重みを理解させる時間だ。日頃から担任と生徒が交わす「家庭学習ノート」(交換日記のようなもの)からも変化を読み取る。生徒に相談したい事がある場合は相談相手の先生を指名でき、コーディネート役の職員が間に入って両者を会わせている。