練り物や漬物などの製造販売を行う(株)美濃屋吉兵衛商店(本社市内成田・鈴木吉兵衛社長)が1月28日、横浜地裁に民事再生法の適用を申請した。小田原を代表する企業のショッキングな報道に、市民の間で驚きの声が広がっている。
創業450年の歴史を誇り、江戸時代には、小田原宿の名物として同社の梅干しや塩辛は重宝されてきた。1982年にはかまぼこなどが皇室献上品に選ばれ、92年のピーク時は売上高も22億円を超えた。しかし、近年は企業の経費削減によるギフト需要減少の影響などを受け、伸び悩みが続いていた。
これまでと変わらずに事業を継続しながら経営再建をめざす同社。市内外にある直営店に加え、江の浦のドライブイン小田原などグループ会社も通常通り営業を行っていく。
報道後、みのや吉兵衛錦通り店を訪れた市内在住の女性(68)は、「塩辛のファン。話を聞いてショックだったが、買うことができてうれしい。これからも買うので続けてほしい」。また、小田原市商店街連合会の古川孝昭会長は、「地元企業なので、立て直して頑張ってほしい。商業者として、応援できることはしていきたい」と励ましの言葉を送った。
同社は本紙の取材に対し、「製造も通常通り稼働しており、今後も原材料にこだわったおいしい商品を作り続けます」とコメントした。