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地元県西の車いすランナー 山口充弘さんに聞く

スポーツ

公開:2015年11月6日

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 吉浜小の3年生・5年生が、地元県西の車いす陸上選手・山口充弘さん(39)を迎えた。命に関する授業の一環で、湯河原では初の講演。就職直前に事故で下半身不随となりながら、アスリートとして活動を始め、今は5年後の東京パラリンピックを目指す山口さん。「やるからには金メダルをめざす。負けるのが嫌いなんです」――本紙にもこれまでの道のりを語ってくれた。

 「最高速度は時速30Kmほど。カーブを曲がる時には少し怖いくらいですよ」。山口さんの競技歴は14年、短距離から長距離まで、数々の大会で優勝を経験してきた。中学の頃に元日本代表のラガーマン・吉田義人さんに憧れ、進学先は迷うことなく、ラグビー部のある西湘高校を選んだ。ポジションはタックルする機会が多いセンター。「多人数のチームプレー、そして体と体がぶつかりあうコンタクトプレー。ものすごくおもしろかった」。高校3年の春には県でベスト16入りを果たすなど活躍した。

 高校卒業後は、アルバイトをしながらコピーライターを目指し、5年の時を経てついに念願の正社員として採用が内定した。「就職が決まればしばらく遊べなくなるから、これが最後」と、直前にスキー場へ出かけた。スキー板より小さいスノーブレードで滑り、ジャンプ台で空中技を決めようとしたその時だった。失敗してそのまま地面に落下。意識が朦朧とし、身体が動かなかった。診断結果は背骨の脱臼粉砕骨折。脊髄が損傷していた。「ラグビーで怪我をする機会が多かったから、なんとなく自分の状態は分かった。でも、もしかしたら奇跡は起きるかなって」。だが、淡い期待は叶わず、下半身不随に。「自分がどうこうより、母子家庭だったから母に対して申し訳ない気持ちが強かった」

 ラグビー部時代の仲間たちが次々に見舞いに来てくれた。「誇りに思ってもらえる存在でありたいから」と持ち前のポジティブな姿勢は揺らがず、リハビリの先生に紹介された障害者スポーツに取り組み始めた。

 水泳を経験した後、陸上競技に転向。2年目に出た日本身体障害者陸上選手権大会では100mと400mで優勝。東京マラソンの10Km車いす部門では2011年から3連覇を果たした。

 現在は病院で事務として働き、勤務後に小田原の城山陸上競技場へ通う日々。練習にはラグビー部の仲間や先輩が付き添ってくれる。競技用車いすは、OB会など有志からのプレゼントだ。「ラグビー仲間の助けが本当に大きかった。個人競技も良いかと思って陸上を始めたけれど、結局はチームプレーになっているのかな」

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