青森公立大学の学生が「真鶴シーフードバーガー」の開発を続けている。東北から夜行バスにゆられて真鶴を訪れ、試食会を重ねてレシピを改良。魚のフライやミカンを挟んだインパクトのある逸品が誕生した。先月30日の試験販売では、2時間で約70個が完売した。
学生たちと真鶴町との交流は、町の大学連携事業として昨年7月にスタート。真鶴の特産品開発を目指す「真鶴シーフードバーガープロジェクト」が動き出した。試作や試食を通じて町民の声を聞き取りながら、真鶴ミカンの輪切りを使うなど、新鮮なアイデアも続々と挟んでいった。
バーガーはその後アジフライ、サバやカマスの竜田揚げ、イカのかき揚げの4種類に増え、今回はそれぞれに合うソースを地元住民が調理。アンケートの声も踏まえて大きかった揚げ物を食べやすいサイズに変えたほか、バンズ(パン)もこんがり焼き上げ、最後はオリジナルのパッケージに包んだ。努力と試行錯誤が形となったその日の夜、里海BASEに商工関係者などを招待して試食が行われたが「おいしい」の声とともに厳しい意見も続出した。「これで売っていくという気合が足りない」「見た目が他のバーガーと同じ」「真鶴は観光地といっても観光客は少ない。地元民も食べたくなるものを」――商売のプロによる率直な指摘を糧に、バーガーの改良はこれからも続く。
大学連携は3年ほどの事業計画で、次年度は学生たちと飲食・宿泊事業者との交流も目指すという。