東京五輪の追加種目になるかもしれないサーフィン競技。神奈川県は先月10日、五輪組織委員会に「湘南」への誘致を求め2度目の要望書を出した。県は相模湾一帯を湘南として捉えており、万が一県が誘致に成功した暁には湯河原の吉浜も五輪に関わる可能性が生じてくる。招致のライバルは千葉県。IOC総会による正式決定は来月の見込みだが、果たして――?
新島や下田、千葉や宮崎…追加種目に決まったわけではないが、誘致の動きは各地で活発だ。1月には国際サーフィン連盟の幹部が千葉と神奈川を視察しており(具体的なスポットは非公表)、追加競技になれば2県のいずれかに決まるという見方が強い。
安定した波に期待「吉浜」の記述も
県はセーリング競技の江の島招致を成功させ、サーフィン発祥の地でもある湘南への招致もにらむ。昨年11月には黒岩知事が大会組織委の森喜朗会長に直接プッシュし、先月10日には県内のサーフィン連盟(湘南西支部を含む)と連名で2度目となる要望書を出した。
県側は相模湾全体を「SHONAN」と捉えており、1度目の要望書(12月)には県内各地のサーフポイントとともに湯河原・吉浜海岸を「安定した波が期待できる」と盛り込んでいる。サーファーの間では「湘南に波がない日でも、吉浜まで行けば乗れる」という声が少なくない。五輪招致はあながち夢物語ではないという事だ。冨田幸宏町長は「今後どうなるのかは分からないが、水質が良く波も立ちやすい。たとえ競技会場にならなくても選手のトレーニングの場所になりうる」と話す。
もしサーフィンが追加種目に決まり、誘致競争に勝った場合、開催地では数千人分とも言われる観客席の設置や宿泊施設など受け入れ準備が始まる。2020年の競技スケジュールは7月下旬〜8月9日で、どの海岸も夏休みの書き入れ時。地域との調整も大きな課題となりそうだ。