地域猫のためのチャリティイベント「まにゃづる」が28日にコミュニティ真鶴で開かれた。猫グッズの販売や朗読劇などもあり、その一角に猫のケージが置かれていた。注目を集めていたのが身を寄せ合う仔猫たち。県内で遺棄され、県警や動物保護センターを通じて(一社)アニプロが引き保護している猫たちだ。代表理事の原奈弓さんによると、ゴミ袋入りや胎盤つきで放置され、保護されたという。神奈川県は「殺処分ゼロ」を継続しているが、捨てる人間はゼロにならない。こうした団体が引き取りや授乳などの数えきれない世話、譲渡を通じ処分ゼロを支え続けている。
1匹の猫が寿命を全うするまで育て続けるのは当たり前のようだが、現実はそうではない。10年、20年先を想像せずに飼い始めた人が、動物病院にかかるお金や病気を理由に捨てたり、自宅のペットが失踪して間もなく次のペットを求めるケース、高齢者が捨てるケースも少なくない。
ボランティアの苦悩
今回の「まにゃづる」を企画した宮澤愛子さんは、昨年から仲間と町内の野良猫を捕獲して不妊去勢手術を行い、元に帰す(通称TNR)を続けてきた。助成金などを活用して12匹が手術を受けたが、けがや病気が見つかった場合は宮澤さんが自己負担した。「元気になるまで自宅で飼育すれば、お金も治療費もかかる。ボランティアにも限界がある。苦しかった」と振り返る。今もなお町内で遺棄したり、無責任に餌を与え続ける人が後を絶たないという。