長興山のしだれ桜 10年越しの研究実る クローンに成功、植樹
わんぱくらんどで2月14日、長興山紹太寺(武内徳昭住職)が小田原市に寄贈したクローン桜の植樹式が行われた。
長興山のしだれ桜は江戸時代の藩主・稲葉正則が境内に植えたとされるもの。樹齢は340年と推定され、小田原市の天然記念物に指定されている。名木・貴重木の増殖事業に取り組む住友林業(株)から、研究対象として打診があったことから2003年2月に開発に向けた研究がスタート。09年3月には組織培養での増殖に成功、このほど植栽可能な大きさに成長したため植樹に至った。樹高は約3・3m、幹周りは約19cm(直径6cm)で、最初の花をつけるのは15年の春頃とみられている。
植樹式には武内住職をはじめ加藤憲一小田原市長や住友林業(株)理事で筑波研究所の梅咲直照所長ら27人が参加。目録と証明書が小田原市に授与された後、植樹が行われた。武内住職は「340年小田原を見つめ、守ってきた桜。花を咲かせた時に皆さんの心の支えになり、これからの観光名所になれば」とあいさつした。