地中に津波の痕跡か 温地研(入生田)が掘削し発見
県温泉地学研究所(小田原市入生田)が、県内の地層から縄文時代の津波の痕跡の可能性のある層を発見した。同研究所では過去数千年に起きたとされる津波の物証を得るため、昨年秋と今年1月に三浦市と鎌倉市の計17地点を掘削。元禄期や大正関東大震災で津波が到来したと伝わる三浦市では、入り江の毘沙門湾近くで縄文時代の層から貝や木片などが溜まった層と、強い水流で浸食された跡が確認された。採取したサンプルは3月28日に地震や火山、考古学の学識経験者が観察。いずれも津波の可能性とともに高潮などの可能性があり原因は断定されなかった。主任研究員の萬年一剛さんは「今後は逗子や藤沢などでも掘削し、同様の層があるか調べる必要がある」と話していた。