早川石丁場 国指定史跡に 小田原城跡、石垣山に次ぐ
文化庁の文化審議会は11月20日、小田原市早川の石切丁場跡(江戸城石垣石丁場跡)を新しい国史跡として指定するよう文科大臣に答申した。正式に指定されれば、国指定文化財は市内で8件目、史跡としては小田原城跡、石垣山に次いで3件目となる。
丁場跡は、早川の石垣山一夜城跡を箱根方面へ650mほど進んだ箕ケ窪橋の下。2005〜06年に広域農道小田原湯河原線建設に伴う発掘調査で出土した。1604(慶長9)年から36(寛永13)年にかけて行われた江戸城改修に用いる石垣の石材を採石、加工した丁場跡を構成する遺跡の一つで、石材を割るための矢穴、刻印や加工が施された石材など、石材の形を整える作業が行われた様子が確認できる。
今回の答申を受けて加藤憲一市長は「(史跡指定に同意した)地権者をはじめ関係各位の協力のおかげ」とコメントした。
広域農道は、丁場跡を現地保存するため、当初の設計を変更。橋で跨ぐ形で整備され、見学ができる。