真鶴町の「魚つき保安林保全プロジェクト」の経過報告が30日に開かれ、樹木構成などが明らかになった。
町は松くい虫の害などからクロマツを守るため、毎年600万円をかけて薬剤を注入したり枯れ木の伐採などを続けている。調査は今後のお林保全のあり方を検討するために昨年夏から始まった。過去の空中写真をもとに木々の変化を解析したほか、現地には一般ボランティアや学術関係者、役場職員などが4回ほど御林に分け入った。調査は森の中に等間隔の「プロット」を割り振り、プロットの半径11mの中にある一定の太さの木々を測るというもので、合計933本・33種を記録した。
その結果、数が一番多かったのはスダジイ(188本)と判明。クロマツは140本、次いでシロダモの138本だった。太さではクスノキが上位で、直径2m超の樹も確認。本数の多いスダジイは比較的急斜面に生えていることや、クロマツが老齢で消えつつある場所がクスノキの巨木林になりつつあること、若いマツが育っていると思われる場所も分かった。調査を指導した森林総合研究所の正木隆氏は御林について「直径1mを超えるクロマツの巨木林で国内でもきわめて貴重」と評価する。プロジェクトでは来年も太さを測り、それぞれの樹木が元気かどうかを分析する予定。