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真鶴音頭岩音頭保存会会長を務める森 操さん真鶴町在住 80歳

掲載号:2017年9月8日号

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ずっと踊りの輪にいたい

 ○…着物に白粉、そして口紅。過去の発表だろうか。1枚の写真を見せて「本番はこんな風に化けるの」とお茶目に笑った。小さい頃は体が弱く、健康づくりの一環で親に日舞を勧められたのがきっかけ。戦後まもない時期に10歳で劇場の初舞台を踏んだ。小田原市栢山出身で、目を閉じれば四方八方のレンゲ畑やハチに刺された思い出がよみがえる。祖母が二宮金次郎のおじの家系ということもあり、金次郎の呼び方は今も「先生」。金次郎がわらじを作った部屋や道具、家具も身近にあった。

 〇…「いい師匠に教わるためには、まず稼がないと」。城内高校を卒業後、稽古に行きたい一心で富士フイルムに就職。ある日の社員旅行でバス酔いし、隣で介抱してくれた男性がのちの夫・正利さんだった。地元栢山は湧き水が豊富だったが、嫁ぎ先の真鶴は海に面し水資源が貴重だったため、流しっぱなしなどご法度。おまけに水道水は味がしょっぱかったという。お姑さんからは結婚の条件として「踊りはやめて」と言われつつ、赤ん坊を背にこっそり稽古に通い続けた。一方の正利さんは「畑違い」で社交ダンスの道に進み、その後も手をとって踊った事もなかった。それでもフイルム会社の社員らしく、妻の晴れ舞台にはカメラを手に駆けつけてくれた。他界して年月が経っても、昨日の事のように嬉しそう。

 〇…町の体協のレクリエーション部で踊りを教え始め、かれこれ35年になる。かつて地元の青年会などが踊り継いでいた「真鶴音頭」や「岩音頭」を再興すべく、3年前に仲間と保存会を立ち上げた。今では小学校の運動会で子どもたちが音頭を踊るようになり、町の総力をあげた盆踊りでも老若男女がやぐらを囲んでくれた。振付を教えた人数は数えきれない。先生と呼ばれても目線は低く、本番で間違えても「私もしょっちゅう」と笑い飛ばす。居場所は踊りの中心ではなく、常に輪っかの一部だ。

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