丘陵地の長尾台を走るコミュニティバスとして、利用者協議会と運行事業者の高橋商事(菅野戸呂)、川崎市の3者で運営する「あじさい号」。本格運行から5年半を迎え、乗客数の伸び悩みに直面している。
目標は月7400人
同協議会によると、2019年の乗客数年間目標は、平日と土曜で8万9300人。月平均で約7400人、1便あたり5・1人としていたが、年間実績はおよそ7万3千人。月平均で約6100人、1便あたり約4・3人だった。
本格運行直後の2015年実績からの乗客増加数は、約1万人。昨年4月からは運行コースを拡大し、バス停を5カ所新設するなど大幅な乗客増を見込んだが、前年比でほぼ横ばいの約1千人増にとどまった。
高橋商事のデータに基づく、運行経費など原価を考慮した2018年発表の目標値は1便あたり4・7人。バス運転手の人件費増など条件を見直した結果、現時点では昨年目標と同等の1便あたり5・1人を掲げている。
一部運休も影響
今年は新型コロナウイルスの影響で、5月2日から土曜の運行を一時休止。毎年6月に妙楽寺で行われる「あじさいまつり」も中止になった。イベント当日は日曜だが、例年、あじさい号の臨時便を運行。昨年は1日で約700人が乗車した。
昨年6月の1日平均の乗客数は330人ほどで、年間では最多。同協議会の権平豊会長は「妙楽寺であじさいが咲く毎年6月は、朝早くからバスに乗ってくれる人もいる」と傾向を話す。
「安定運行を維持するためには、非常に厳しい状況。あじさいまつりに代わる代替案を講じる必要がある」とし、「高橋商事、川崎市と3者で協力し、意見交換を重ねながらいい形で継続していきたい」と思いを話す。
地域交通の確保を目指し、現在の利用者協議会の前身にあたる住民団体「長尾台コミュニティ交通導入推進協議会」が2008年に発足。長尾6丁目を中心とする長尾台地区で、「あじさい寺」として知られる妙楽寺と登戸駅、久地駅を結ぶ「住民の足」として役割を果たしている。
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