誰もが共有できる生田緑地の目指すべき将来像を示そうと2011年3月に策定された「生田緑地ビジョン」について市は、社会情勢の変化などを踏まえ、改定案を取りまとめた。3月15日まで市民の意見を募っている。
11年に策定された生田緑地ビジョンは、「緑地の保全」を前提としながら、「緑地の利用」との調整を図ることによって両者の好循環を発生させることが基本的な考え。好循環により貴重な自然環境を将来にわたり守り、同緑地が持つ歴史や文化、人的資源を持続可能な形で継承し、まちと自然、人と人をつなげる生田緑地の実現に向けて、さまざまな取り組みを進めてきた。
一方、新型コロナを経た社会の変容、急激に拡大したナラ枯れを契機に顕在化した生物多様性の危機への対応、登戸・向ヶ丘遊園駅周辺のまちづくりの進展などの状況変化を踏まえ、同ビジョンを改定する必要性が出てきた。
川崎市は改定に向け、課題を整理しつつ、同緑地に関わる団体や学識経験者、利用者などの意見を踏まえて検討を進めてきた。昨年9月には、同緑地内で行われたイベント内で、パネル展示と合わせて市民から意見を募り、質問に答えるオープンハウス型説明会も実施。「ベンチなどの休憩施設を増やしてほしい」「授乳室がほしい」「防災の拠点として整備してほしい」「市民参加できることを増やしてほしい」など、115の意見回答が寄せられた。
市は、「生物多様性を未来に引き継ぐ」「新たな価値創出や社会課題解決のための場となる」「多様な主体との連携・協働・共創」「防災機能の向上」などの8つの視点を踏まえて施策の基本方向を整理し、「生田緑地ビジョン改定(案)」として取りまとめた。案は、「豊かな自然・文化・人・まちが共に息づき みどりがつなげる持続可能な生田緑地の実現」を基本理念とし、その実現に向けて「みどり・生物多様性」「文化」「人(担い手・来園者)」「まちづくり」「施設」の5つの資源ごとに将来像を示している。
5月に改定予定
市は3月15日(金)までパブリックコメント(意見公募)を実施し、市民からの意見をメールやファクス、郵送などで募っている。資料の閲覧などは、各区役所市政コーナー、同緑地東口ビジターセンター、西口サテライト、登戸行政サービスコーナーほか。詳細は市ウェブサイト。
市は意見に対する個別回答はしないが、考え方を整理した結果をウェブサイト上で公表する予定だという。市の担当者は「市民の方々と一緒に、生田緑地の未来について考えていけるようにしていく」と話した。
意見を踏まえ、5月に改定を行う予定。
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