最後の公開見学会 明大キャンパスの登戸研究所5号棟
明治大学があさって20日(日)、解体が決まった旧日本陸軍登戸研究所施設の最後となる公開見学会を同大生田キャンパス内で開く。同大では参加者を募集している。
最後の公開となるのは、キャンパス内に残る木造平屋建ての5号棟。当時の中国貨幣を偽造していたとされ、1939(昭和14)年から41年頃にかけて建設されたとみられる。現在の明治大学生田キャンパス内には旧日本陸軍の秘密研究所、登戸研究所が一帯に広がっていた。
資料によると、37年に日中戦争が全面化すると、日本陸軍は大規模な作戦を実施する一方で、中国の偽札をばらまくことで中国経済を混乱させようと「通貨謀略工作」を計画したという。そのためにこの5号棟で5元札から200元紙幣を大量に偽造した。総額で40億円、そのうち25億円相当が実際に中国戦線での物資や食糧の買い付けなどに使用されたとみられる。
こうした戦争遺跡を残そうと、5号棟の保全を求める市民団体の声もあったが、同大では老朽化して危険な状態になったことから、キャンパス整備の一環としてやむなく解体に踏み切るという。図面や写真、映像などで記録を残し、建築部材や土台などを保存する方針で、新キャンパス整備後に記念物を設置するとしている。
公開見学会の参加は事前予約不要。時間は午前10時から正午まで。当日、生田キャンパス中央校舎1階ロビーに集合。老朽化が激しいため、制限区域からの見学。交通アクセスは小田急向ヶ丘遊園駅より小田急バス「明大正門行」に乗車して終点で下車。あるいは生田駅より徒歩10分。
問合せは同大(【電話】044・934・7553)。
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5月3日
4月26日