地域の救急医療に貢献した人や団体に送られる2016年度「神奈川県救急医療功労者表彰」が先月発表され、県内5団体、7人が受賞。多摩区では医療法人社団慶神会・武田病院と、岡野内科医院の岡野敏明院長が受賞し、6日に県総合医療会館(横浜市)で表彰式が行われた。
1982年に9月9日が「救急の日」に制定されたのを機に設けられた制度で、今年で34回目になる。
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団体表彰の武田病院(登戸3193)は、地域の精神科救急医療への貢献が評価された。同院は1960年に診療所として開設。3年後には精神科・神経内科病院となり、2006年から県精神科救急システムに参加した。興奮状態や錯乱状態、警察官通報などの救急事例が発生した場合に、入院が必要とされる精神状態の患者を当番日に随時受け入れてきた。
このほか、うつ病患者の復職ケアや精神保健への理解を深めるための講演会等を積極的に開催しており、昨年11月には県医師会からも表彰されている。
理事長の武田龍太郎院長(54)は「心のケアを必要としている人は全国的に増えており、治療も多様化している。今後はカウンセリングや精神療法にも力を入れ、地域の関係団体と連携し、皆さんの日常生活の中で理解を深めていきたい」と思いを語った。
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個人表彰の岡野院長(57)は、1926年開業の岡野内科医院(登戸1737)を、2002年に継承して院長に就任。同院では、多摩区の休日夜間急患診療所の近くに立地していたことから、当番医が来られないときに急きょ駆けつけるなど地域の初期救急医療に貢献してきた。
愛知医科大学出身の岡野院長は裾野赤十字病院に出向時、阪神・淡路大震災の救護班に従事。東日本大震災、今年4月の熊本地震の際も現地入りし、救護所の巡回などに携わった。現在は川崎市医師会副会長のほか、県医師会の救急災害医療対策委員会の委員長、市の災害コーディネーター委員長などを務めている。
来年4月からは、市内7区の休日急患診療所を市医師会が自主運営する予定。岡野院長は「医師会の活動に加え、地域の災害対策にも引き続き力を入れていく」と語った。
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