研究所が新設される「ナノ医療イノベーションセンター」
聖マリアンナ医科大学（宮前区菅生）の皮膚科学研究チームから生まれたベンチャー企業「ナノエッグ（本社・東京都港区／山口葉子代表取締役社長）」が、創設当初から目標としている「注射針を使わない投薬技術」の研究開発の本格化に伴い、同社の「先端医薬・ヘルスケア研究所」を川崎区殿町の「ナノ医療イノベーションセンター」内に新設。先月17日から稼動を開始した。
同センターは先端医療の研究拠点として、産学官が連携をとりながら課題解決のための研究、実用化に取り組む施設。同社は設備の充実を図り、新たな研究領域の拡大と研究スピードを速めることを目的として、これまで聖マリ医大内にあった研究機関を移転し同研究所の新設を決めた。
皮膚疾患悩む人の力に
同社は２００６年の創業以来、聖マリ医大との共同研究の中で生まれた独自の皮膚浸透技術（ドラッグデリバリーシステム＝ＤＤＳ）を応用した化粧品の開発・販売を行っている。
ＤＤＳは、薬剤を皮膚から直接必要とする患部に届け、効率良く作用させる技術。この技術の実用化で、物資の少なさや衛生面で問題を抱える発展途上国でも注射針を使わずに投薬が可能となる。
山口代表は「創設当初からの目標をより迅速に具現化するための新設。皮膚疾患に悩む人々の力になれるよう、社員ともども研究開発にまい進していく」と決意を新たにした。
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