川崎市の児童の体力向上のため、元教員らを中心に運営する広域型スポーツクラブ・NPO法人かわさきスポーツドリーマーズ(KSD/齊藤義晴会長)が3月、設立10周年を迎えた。10年間の歩みをまとめた記念誌を発行し、事務局の高橋稔さんは「多くの人にKSDを知ってもらう機会になれば」と話す。
KSDは市全域でスポーツに触れ合う機会をつくろうと、市教育委員会や市体育協会(現・市スポーツ協会)の協力を得て2011年に発足。放課後に学校のグラウンドや体育館で陸上やバレーボール、サッカー教室などを開催している。これまでに延べ2万5千人以上が参加。陸上教室からは全国大会に出場する児童も輩出するなど、実績も残してきた。
現在会場となっている学校は26校で、中野島小や東菅小、南生田小ほか市内全区に及ぶ。講師は主に教員を定年退職した地域住民ら。約50人が自宅から近い小学校で指導している。「川崎市は昔から児童の体力不足が課題の地域。参加者の持久力が伸びるなど確実に体力向上につながっている」と高橋さん。
年に数回は、教室外の児童も参加できる無料イベントを開催。15年にはサニブラウン選手、17年にはテレビ局の企画でウサイン・ボルト選手も訪れた。このほか寺子屋事業や成人向け教室など活動の幅を広げ、記念誌ではこうした歩みを99ページに凝縮した。
東京五輪を控え、参加希望児童が増加傾向にあるというが、講師の人数が足りず受け入れ枠を増やせていない。高橋さんは「川崎市の子どもたちのために活動できる人の力を借りたい」と呼びかけている。記念誌やKSDに関する問合せは【電話】044・733・4408。
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