NEC玉川事業場(中原区)は今月、防災用に備蓄する「アルファ米」185箱を、保育園や介護施設など川崎市内59の福祉施設に寄贈。19日に寄贈式が同所で行われ、市社会福祉協議会の奥村尚三副会長とすこやか溝口保育園の奥村もと子園長が代表で受け取った。
NECでは災害時や帰宅困難などの非常事態に備え、同事業場に勤める約1万5千人を対象に3日分の非常食を備蓄している。賞味期限が5年とされているため、毎年廃棄前に社員に直接販売するほか、社員食堂で調理して提供。売上金を国連世界食糧計画に寄付していた。
昨年は感染対策による社員食堂の営業停止で、アルファ米の社内販売が取りやめに。賞味期限が迫ったアルファ米を、昨年初めて市社協を通して地域の子ども食堂など市内約40団体に寄贈した。
今年も活用が見込まれる施設に、希望数を募り寄贈。多摩区内では社会福祉法人なごみ福祉会夢花事業部やのらぼう愛児園、ひばり保育園など10カ所以上に届けられた。
「試食会などを行い、実際に食べてみる機会をいただいた。災害に備える意識が高まった」と奥村副会長。同事業場の中山紳一さんは「私たちの資源が地域の役に立てばうれしい。社内にまだアルファ米はあるので、随時提供していきたい」と話した。
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