昨夏、東京パラリンピックの競泳4種目に出場し、女子50メートル背泳ぎ(運動機能障害S5)決勝で6位入賞した多摩区在住の成田真由美さん(51)。6大会目のパラを自国開催で迎え「有終の美」を飾るも、選手村を発った翌日には練習拠点の横浜サクラスイミングスクール(青葉区)へ向かった。「目標に向かってというより、長年の生活リズム。泳いで元気でいられるのが一番かな」。今も週5日は横浜サクラに通い、3〜4千メートルを泳ぐ。ハードな練習に、自然体で向き合い続ける。
初のスイムオフ
パラ5大会で金15個、計20個のメダルを獲得した成田さんが、集大成として臨んだ東京。予選3種目で惜敗した後、最後の背泳ぎでは決勝進出ラインの8位に成田さんと他選手が同じタイムで並ぶ事態に。決勝を懸けて再度競う「スイムオフ」は「27年の水泳人生で初めて」になるはずだったが、相手選手の申請がなかったため成田さんの予選通過が確定した。
最終レースとなった決勝では、予選から順位を2つも上げる驚異の底力を見せた。「6位で本当によかった。やり切ったという気持ち。いずれ終わりがあると思えば、ちょうどいいのかなって」。表情は爽やかだ。
競技者としては一区切りと考え、今年は選手登録をしない予定という。「登録したら(パラに)また出たいってなるから」。2024年のパリ大会は「視聴者側に回る」とも。「コロナが明けたら、全国各地のマスターズ大会に出るのもいい。いろんな所へ行けたら楽しい」。ふと、未来に思いをめぐらせる。
住みよい多摩区に
パラ本番前には、区の企画で250件以上の応援メッセージが集まり、アルバムとして成田さんのもとに届いた。生田小、南生田中出身で幼少から過ごした多摩区には「みんなで意識して、誰もが住みやすいまちにしていければ」と思いを込める。昨年末には川崎市市民文化大使として第10期を迎え、一市民としても「川崎市を盛り上げたい」。ありのまま当たり前に、地域と進む。
|
<PR>
多摩区・麻生区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|