抗がん剤治療などで脱毛に悩む人に向けた医療用ケア帽子「コットンキャップ」。ボランティア団体「神奈川骨髄移植を考える会」メンバーで菅馬場に住む星野智子さん(50)=人物風土記で紹介=は今月8日、麻生区の市民団体「ロバ君倶楽部」から手作りのコットンキャップ約70枚の寄贈を受けた。星野さんは「皆さんの思いに感謝している。必要な患者さんに届けたい」と胸中を語る。
神奈川骨髄移植を考える会(本部・平塚市)は、骨髄バンクや臍帯血(さいたいけつ)バンクなどの促進を目的にした団体。活動の一つとして「コットンキャップ事業」に取り組んでいる。コットンキャップは、抗がん剤治療で脱毛に悩むがん治療経験者が考えた、肌に優しい綿素材の帽子。この帽子を川崎市内のがん患者に届けようと、星野さんが中心となってモニターや作り手の募集活動を昨年6月に始めた。
闘病越え支援活動
星野さんは2012年に白血病と診断され、臍帯血移植を受けて回復した経験を持つ。「治療のとき脱毛で悩んでいた。入院中に少しでもおしゃれをしたいと思っていたら、娘が帽子を作ってくれてうれしかった」と思いをはせる。
活動する中で、市内で人材マッチングを行う「プロボノ部」から紹介されたのが「ロバ君倶楽部」だった。同団体は手芸などが得意な有志のグループ。認知症サポーターキャラバンのマスコットキャラクター「ロバ隊長」のストラップを作り、認知症サポーター養成講座を受けた人たちに配布する活動を行う。
星野さんの依頼を受け、同団体はコットンキャップの製作を昨年12月に開始。提供された生地を使って、約70枚の帽子を完成させた。帽子以外にも余った生地等を使い、点滴を入れる袋やアイマスクなど約150点を製作し、寄贈した。同団体の片居木町子さん(67)は「病気をされた星野さんが活動をされていると聞き、心を打たれた。少しでも役に立ってくれればうれしい」と思いを込める。
星野さんは「患者さんのことを思って作っていただき、感謝している。この取り組みを川崎モデルとして他の地域にも広げ、患者さんの支援に役立てたい」と語った。
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