麻生消防署長に就任した 小林 英木さん 茨城県つくば市在住 54歳
地域力生かした防災を
○…前任は総務部人事課長。初任教育などに取り組み、救助畑で培った経験と知識を多くの後進に伝えてきた。先の大震災では、川崎市消防局緊急消防援助隊統括部副隊長として福島原発での放水任務を遂行。極限の緊張の中、指揮にあたった。「刻々と数値が変化する放射線量に気持ちが揺るがなかったかと言われれば嘘になる。ただ、任務を無事に果たすこと、そればかりを考えていた」
○…昭和31年、幸区生まれ。高校・大学とアメリカンフットボールで鍛えた身体を人のために役立てようと消防を志した。数々の現場で経験を積むうち、救助の奥深さに魅力を感じるようになった。国際消防救助隊としてバングラディッシュに派遣されるなど、国内外で救助に勤しんだ。「技術だけでは駄目なのが救助。何があっても冷静さを失わず、精密に、迅速に行動できるかどうかが鍵」
○…強豪校のコーチを務めるほど極めたアメフトでは、多くの有名選手を育成した。若い頃からタフでアクティブ。50代を超えた今もアウトドア派に変わりはない。20年来の趣味である登山は心身ともに健康であるために欠かせない息抜きとなっている。「いつか時間ができたら、じっくり南アルプスに挑戦してみたい」
○…先月1日の着任からひと月が経った。麻生区に来て最初に感じたのは「地域力の強さ」。今回の震災を受け、「地域の特性を生かした防災の重要性」を感じている。「麻生区の強みは地域の繋がりの強さ。新興住宅地あり、緑地ありの多様な特性を我々がきちんと理解しながら、署をあげて協力しあい、有事に備えたい。住民の皆様にもご協力をぜひお願いできれば」。救助のプロから署の舵取り役へ。麻生署の新たな1ページがここから始まる。
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