宮城県気仙沼市で介護支援を行った 小島 秀樹さん 地域福祉センター「金井原苑」(区内片平)勤務 24歳
被災地での経験心の糧に
○…東日本大震災で甚大な被害があった気仙沼市の特別養護老人ホームで、今月8日から13日まで介護支援に取り組んだ。「現地でいつも通りの仕事をしていては行く意味がない」と自分に言い聞かせ、身体介護や食事の介助、配膳、声かけなどどんな仕事でも積極的に引き受けた。「頼まれてからの仕事では遅いと思った。現地の空気やその場にいる人の行動を先読みする迅速さが必要だと感じた」と振り返る。
○…小学3年生で交通事故に遭い、長期の入院を余儀なくされた。家族や友人に支えられ、「将来は人のために働きたい」と20歳で介護の道に進んだ。今回の派遣は自分の成長にもつながる貴重な経験。現地職員からプロ意識の高さを学んだ。「震災の影響がなかったのかと思うくらい現地の雰囲気は明るかったが、実際は、被災した職員が利用者に心配をかけないよう明るく振舞っていただけだった」。常に利用者のことを優先するプロの姿勢に強い共感を覚えた。
○…被災地を訪れることができたのは家族の理解があったから。生後6ヵ月の子どもがいることもあり最初は妻や両親に反対された。「人を助けるためにこの世界に入ったのに、本当に困った時に誰かを助けられない。そんな自分が許せなかった」。涙ながらに家族を説得し、現地にむかった。「被災地で家族を失った人たちと触れ、家族のありがたみを感じた。自分を理解してくれた妻と両親には本当に感謝している」
○…被災地で改めて「介護される側」の気持ちを意識することができた。「自分自身、満足にお風呂も入ることが出来ない状況を経験し、彼らの立場が理解できた気がする」。派遣を通じ、利用者の気持ちを第一に考えながらサービスを行うことの大切さ=介護の原点に立ち戻ることができた。この経験をしっかりと心に刻みながら、これからも続く介護人生をひたむきに歩んでいく。
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