介護の現場〜職員の声を訊く【1】 「家族のような雰囲気が魅力」 取材協力・特別養護老人ホーム緑陽苑
小田急多摩線栗平駅から徒歩3分。緑に囲まれたのどかな場所にあるのが特別養護老人ホーム緑陽苑だ。「居住者がくらしの主人公」という理念に基づき、現在は介護保険制度で介護の必要がある「要介護」認定を受けた70人以上が利用している。
同施設で働く介護福祉士の小野寺信子さん(54)は、係長として25人ほどの職員とともに利用者の生活を支えている。食事や入浴、排泄など利用者のニーズを細かく察知し、現場職員に指示を与えながら、自らも介護に従事する。職員への伝達事項や書類作成なども業務の一つだ。
小野寺さんが介護の世界に進んだのは37歳の時。育児が落ち着いた頃、知人からホームヘルパーの仕事に誘われたのがきっかけだった。デイサービスや特養などで働くにつれ、利用者と真摯に向き合う介護の仕事にやりがいを感じるようになった。「利用者が何を求めているのか」。いつも利用者の気持ちを考えながら、仕事に取り組んでいる。
いまの職場で働き、今年で7年目を迎えた。現在の施設の子育て世代を応援する雰囲気が気に入っているという。産休や育休をはじめ、夜勤の有無、乳幼児の授乳や子どもの送迎などの環境が整っている。「この業界では子どもができたら辞めてしまう人も少なくないが、こうして施設が職場復帰の後押しをしてくれるのは非常にいいことだと思う」と小野寺さん。
少人数で多くの利用者を支えるため職員同士の協力が不可欠。小野寺さんは「仕事以外でもみんなでコミュニケーションがとれる雰囲気が業務での連携に役立っている」と話す。「私も最初は介護の知識がゼロからのスタートだった。大事なのは介護未経験者でもやる気があること。ここでは職員も利用者もみんなが家族なんです。もし介護の仕事に興味があれば、気軽に施設を訪れて欲しい」と呼びかけている。
■社会福祉法人ひまわりの会 特別養護老人ホーム緑陽苑(麻生区栗木台1の12の1)【電話】044(988)5010
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