30日に障がい者支援講座を行う川崎授産学園の学園長 石井 和明さん 高津区新作在住 62歳
開かれた施設を願い
○…障がい者の自立と心豊かな生活を目指す複合施設「川崎授産学園」の学園長に就任して2年目。地域とともに歩む施設を作りたいと積極的に地域向けイベントを開いてきた。夏祭りに手話講座、天体望遠鏡を地域住民に開放する「市民天体観望会」は地域との大切なかけはしとなっている。「地域の方にも障がいについての正しい知識を身に付けてもらいたい。障がいが特別なことでなくなる空気を作りたい」。
○…昭和24年、高津区生まれ。長年公務員として勤め、高齢者や障がい者の福祉サービス・相談などに携わってきた。トレードマークのひげは障がい者との交流を図るための仕掛けの一つ。言葉を使った意思表示が苦手な障がい者が挨拶代わりに自分のひげを触ってくる瞬間が何より幸せと感じている。「何とかして利用者の笑顔を増やしていきたい。それが私の使命」と感じている。
○…戦国時代や三国志など歴史本が好きで、日常生活でも多くの教訓を実践している。「私欲をなくして公欲に尽くせ」は持論で、学園を預かる身として誰かのために働く意識を強く持ってきた。将が一国を預かるときには必ず民のことを考えるように、「職員や利用者のことを第一に考え、お互いが学園で過ごしやすくなる環境を整えるのが私の役目」。ひげをひとなでしながら話す姿に武将にも似た頼もしさをにじませる。
○…東日本大震災を機に地域のつながりの大切さを改めて感じた。「何かあったときに職員だけでは利用者のケアをできないのが実状」。緊急時に備え地域の防災用具や備蓄品を保持し、広く使ってもらうことで地域に根付いた学園としての役割を果たしたいと考えている。「理解は日々の積み重ねから。もっと開かれた施設にするために今できることをコツコツとやっていきたい」
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