瓦版(かわらばん)から大地震を学ぶ 柿生郷土史料館で企画展
川崎市立柿生中学校内にある柿生郷土史料館で7月10日(日)から、江戸時代などに発生した大地震を今に伝える瓦版や関東大震災当時の新聞を展示する特別展が行われる。当時の被害状況や対応などを読み解き、教訓を今に活かそうと同館が企画した。
「中学校を防災学ぶ拠点に」
郷土の歴史や文化を後世に伝えようと同中学校内に作られた柿生郷土史料館では、様々な歴史的史料の展示や地域住民を集めての講座などを定期的に開催してきた。運営や管理は地域の有志が交代で行い、支援員として学校との連携を図っている。
今回の企画展は、東日本大震災を受けひとりでも多くの人と地震の被害や備えについて認識しあい、過去の教訓をこれからに活かそうと支援員らが企画した。
展示されるのは江戸に甚大な被害を及ぼしたとされる安政地震や関東大震災時の新聞など。中でも地震にともなう大火災を伝える瓦版には、当時の被害状況や火災の影響を受けた武家屋敷の様子などが詳細に綴られている。主催者らは、こうした瓦版に解説を加え、多くの人に見てもらうことで地震について地域で考える土壌を作りたいとしている。
企画展は7月の日曜日と8月の土曜日、9月の日曜日に開催。初日となる今月10日には川崎市役所危機管理室から講師を招き、大地震のメカニズムや地震に対する備えについての講演を行う(午後2時開始)。
同展示を企画した板倉敏郎支援委員は「地域の皆さんが自由に集える場所として頑張ってきた史料館で防災をテーマにした企画を行うことはとても有意義。これを機に、中学校という場所が防災についての知恵や知識、情報などを発信する本当の意味でのターミナルになっていってくれれば」と話している。
同館では今後も定期的に防災関連の企画を実施していく方針。8月と9月には安政地震と関東大震災をテーマにセミナーを行いたいとしている。
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