今月12日、川崎授産学園で音楽交流サロンを立ち上げる 江口 義実さん 東京都杉並区在住 43歳
「未来への提言」音楽に乗せて
○…障害者施設「川崎授産学園」で障害者と音楽家、地域住民が集う交流サロンを立ち上げる。公演活動や音楽イベントで障害者と自然に触れ合い、理解を深められる環境をつくろうと考えた。「主役は住民と障害者。互いに話すだけでもいいし、持参した楽器で一緒に演奏をするのもいい。普段関わりが少ない人が集まり、新たな価値観を発見できれば嬉しい」
○…社会貢献活動を目的に集まった音楽家らによる団体「ソーシャル・アーティスト・ネットワーク」の代表を務める。商業音楽があふれる中、社会問題や思想などを世に発信する音楽本来の役割に立ち戻ろうと考えた。これまでにも人権侵害や差別、世界平和など様々なテーマを音楽とともに扱い発信してきた。「音楽は世界の共通言語。どんな立場やどんな人種でも分かり合える最高のコミュニケーションツールだと思う」
○…埼玉県戸田市生まれ。小学4年生の時からフルートを習い始めた。音大に進学しプロの道も考えたが、両親の反対もあり、大学卒業後はIT企業のマーケティング部門で新規事業の企画などに携わった。現在の活動につながる斬新な発想力や思考力が身に付いたのもこうした経験のおかげ。「音楽家と違う視点で、社会を見つめられるようになったのが大きな収穫だった」
○…手さぐりではじめた活動も国内外から注目を集めるようになった。09年にマダガスカルの自然保全活動を行う団体と開催した公演では、マダガスカル島民が外国から侵略を受けた詩に、作曲家ラヴェルが曲を作った「マダガスカル島民の歌」を取りあげ、悲しい迫害の歴史に迫った。この公演は同国大使らの目にとまり、大使自らが足を運ぶ一大イベントになった。「音楽の可能性を肌で感じた。これからも公演を通じ様々なメッセージを発信していきたい」
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