麻生観光協会 「禅寺丸柿の日」を制定へ 10月21日 区の木を周知
麻生観光協会が10月21日を「禅寺丸柿の日」として制定する。区の木とされている禅寺丸柿は、区内原産の日本最古の甘柿。来年発見から800年を迎えることに際し、「柿生禅寺丸柿保存会」、「ふる里を語る柿岡塾」らとともに、後世に歴史や文化を伝えようと制定に動いた。
昨年の10月21日、区政30周年記念事業として行われた「禅寺丸柿サミット」で、30周年記念事業実行委員会の中島豪一委員長が「例年イベントが行われている10月21日を『禅寺丸柿の日』にしよう」という提案をしたことがきっかけとなった。
同サミットに参加していた麻生観光協会(笠原勝利会長)や「柿生禅寺丸柿保存会」(水野英雄会長)、「ふる里を語る柿岡塾」(中山茂会長)らが協力し、次の世代にも禅寺丸柿の歴史や文化を伝えていきたいという思いから立ち上がった。区観光協会は「貴重な観光資源にもなるので、区内外に積極的にPRしていきたい」としている。
日本最古の甘柿
禅寺丸柿は、1214年に星宿山王禅寺の山中で発見された、日本最古の甘柿とされている。「柿生」という地名の由来にもなっている。
江戸時代から王禅寺近隣地域に栽培が広がり、地域経済を支える産物となった。明治時代の末には、関東から名古屋まで出荷され、最盛期を迎えた。しかし、新種の登場や都市化により柿の木が減少し、1970年頃には市場から一旦姿を消した。その後、「柿生禅寺丸柿保存会」が結成されるなど、地域団体がその魅力や歴史を伝え、希少価値が生じ、再度注目を集めた。
地域団体が歴史伝える
「柿生禅寺丸柿保存会」は、原木の手入れや小中学校、公園への植樹活動、イベントの開催、苗木の地域住民への贈呈など次世代に引き継ぐ活動を行ってきた。同会の水野会長は「記念日の制定をいかし、より子どもたちに文化や歴史を伝えていきたい」と語る。
また、柿生の歴史や文化を研究する「ふる里を語る柿岡塾」も記念誌の発行や記念祭の開催などを通じて、禅寺丸柿の価値を伝えてきた。中山会長は「禅寺丸柿なくして、柿生の歴史は語れない」と話す。
記念イベント開催
10月21日には「禅寺丸柿の日」制定記念イベントが開催される。当日は禅寺丸柿にまつわるクイズなどが行われ、子どもたちが楽しみながら学べる内容になっている。会場は区役所前広場。午後2時半から午後4時半まで。事前申し込み不要。詳細・問合せは区地域振興課(【電話】044・965・5118)まで。
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