麻生区内 6年間火災死者ゼロ 住民の意識と啓発が要因
麻生消防署によると、12月10日時点で麻生区内の火災による死者は6年間ゼロを記録した。川崎市内で現在継続中の最長記録。同消防署の高嶋敏署長は「住民の方々の防火意識が高いことと、積極的に啓発活動を行ってきたことがよかったのでは」と話す。
麻生区では2007年12月10日以降、6年間(2192日間)火災発生現場での逃げ遅れなどによる死者は発生していない。これに続く継続中の記録は高津消防署で2080日。過去最長の記録も麻生消防署で、1997年5月29日から2007年12月10日までの約10年7カ月(3855日)となっている。
高嶋署長は「都市部でここまで長い期間は珍しいのではないか。各町会長が複数の役職をもっているので、防火協会との会合だけでなく、他の会合でも顔を合わせる機会が多い。消防署と町会のコミュニケーションがよくとれている。防火対策の話も熱心に聞いてくれている」と語る。
迅速な対策が奏功
麻生区では今年1月から2月までに、岡上地区での連続放火3件を含む5件の放火が発生している。これに対し、麻生消防署では発生地区への放火撲滅を訴える立て看板の設置やポスターの配布といった対策を迅速に講じ、その結果、3月以降放火は発生していないという。
また、同消防署では火災による犠牲者を出さない地域づくりを推進するため、火災の早期発見に重点を置いている。高齢者宅を中心とした防火訪問や、早野地区で住宅用火災警報器の普及活動をローラー作戦で回るなど、啓発活動に注力してきた。
高嶋署長は「過去の最長記録を追い越し、記録を伸ばしていきたい。乾燥する季節になってきたので、火の元に気を付けてほしい」と話した。
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