設立10周年を迎えた緑地保全団体「森もりクラブ」の代表を務める 海野 芳彦さん 向原在住 67歳
地元の緑を守る「園芸家」
○…金程や向原の緑の保全、再生などを行政と協働し、町内会と連携して行う団体「森もりクラブ」には、市役所を退職後の設立3年目に入会し、以来代表を務めている。先月には地域の親子連れに向けた語り部のイベントを行った。設立10年を迎え「まだ夢半ば。多摩丘陵の原風景を再生させるため、その象徴であるアカマツを復活させたい」と語る。10周年を記念し7月、千代ヶ丘小に植えられている樹齢250年の名木「五色八重咲散椿」の子孫を残すための挿し木も行った。
○…東京農業大を卒業後、「庭をつくりたい」と植木屋を経て、市環境局緑政部へ。多摩区日本民家園分館の庭や早野聖地公園の新形式墓地の計画などを手掛けた。その後、緑政部長となり、「園芸とは景色をつくること」という考えのもと、市役所通りのいちょう並木を作り上げた。どんなに忙しくても、仕事が大変だと思ったことはない。「市民が喜んでくれて、後にも残るものを作れ、こんなにいい仕事はなかった」
○…約30年前に現場監督として携わった中原平和公園での彫刻展がきっかけで、彫刻にも造形が深い。彫刻展では名のある芸術家たちが現地で創作活動を行い、その姿や作品に毎日感動しきりだったという。石の彫刻を用いる造園にも役立ち、今も自宅には彫刻作品が並んでいる。コレクションの数々に囲まれ「全然飽きないね」と微笑む。
○…子どもの頃から植物が好きだった。体も小さく、あまり自信のもてるものがなかった小学3年の頃、スイセンを育てた時「この花だけは皆より一番きれいに咲かせたと鼻が高かった」と振り返る。中学生の頃にも当時流行していたサボテンを育てていたことが強く印象に残っていると、子どもの頃の自然との関わり方を重要視する。「地域の子どもたちに向けた活動や近隣大学の学生との活動にも力を注いでいきたい」と地元の緑の未来に目を向けていた。
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