1976年に高津区の多摩芸術学園(現・多摩美術大学)の卒業公演として初上演された「わが町―溝の口」が、3月10日(木)から川崎市アートセンターで上演される。今回は麻生区、多摩区、宮前区、中原区の地域住民らで構成される市民劇団「劇団わが町」が舞台に挑む。
日常生活の大切さを描いた、ソーントン・ワイルダーの名作戯曲「わが町」。今回は舞台を溝の口に置き換えた「わが町―溝の口」を、市民劇団「劇団わが町」が上演する。「わが町―溝の口」は1976年に国内で初演されて以降、「わが町」を他のさまざまな町に置き換えて上演する発祥となった作品だ。
40年の時を越えた上演に挑む「劇団わが町」は地域住民ら約50人からなり、7歳から78歳が所属している。同劇団は、舞台芸術を観るだけでなく、参加する楽しみも知ってもらいたいと、2012年6月に立ち上げられた。市アートセンターでの旗揚げ公演が「わが町―しんゆり」で、以降も巡回公演してきたこともあり、今回の挑戦となった。
「わが町―溝の口」は、故・長岡輝子さんの翻案、演出により1976年、多摩芸術学園(現・多摩美術大学)の卒業公演として高津区民ホールで初演され、第5回川崎市文化賞を受賞した。同作は、明治時代の溝の口近辺を舞台にした日常生活の普遍的なテーマをとらえられており、日本国内のさまざまな町に置き換えて上演する祖となった。
長岡さんは「ワイルダーの作品の度々の出会いによって、ますますワイルダーが身近な人に思え、そして彼に近づけば近づくほど、日本の『わが町』を舞台化してみたいと思うようになった」と話していたという。
40年の時を越えた上演に挑戦するにあたり、今回演出を務めるふじたあさやさんは「今だったら、長岡さん、きっとこうなさるだろう、という舞台を作って長岡さんに捧げたい」と語っている。
公演日程は3月10日(木)から13日(日)までで、ダブルキャスト上演。チケットは有料。
詳細・問い合わせは市アートセンター(【電話】044・955・0107)へ。
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