「レストランあさお」の料理人で第64回神奈川県優良産業人表彰を受けた 田中 隆さん 多摩区在住 66歳
地元に美味届ける努力家
○…地域商工業の振興に寄与したとして、商工会議所が行う優良産業人表彰を今月3日、受彰した。「重みを感じ、今以上にお客様に喜ばれる料理をつくっていきたい」と語る。麻生区役所にある「レストランあさお」に料理人として勤務し、約10年。周囲からも模範とされるなど、仕事に対する姿勢は真面目そのものだ。現在は、同レストランで日替わり弁当を担当。「食材を大事に使って、バランスを考え、日々メニューを思案しています」
○…岩手県出身。5人兄弟の末っ子として育ち、子どもの頃はスキーやスケートなど外遊びが好きだったという。中学からバレーボールを始め、高校の頃、ボール拾いや練習を地道にし続けてきたことが認められ、2年生の時からレギュラーに。「スポーツをやっていると根性がつく」と振り返る。スパイクを得意とし、県内一、二を争うレベルで凌ぎを削っていた。卒業後の道として、実業団からの誘いも受けていたが、親からのアドバイスもあり、食べ物に関する仕事はより安定しているのではないかと、ホテルに就職した。
○…これまで京王プラザホテルなど4カ所で料理人として腕をふるってきた。若い頃は玉ねぎの皮むきや芋の仕込み、重曹でダスターを洗うなど、バレーボール同様、努力を地道に積み重ねてきた。洋食を得意とし、後にアシスタント・シェフや料理長を歴任。「ホテルでは食材を何でも使えるので、おいしいのは当たり前。今は食材を大事に使っていかないと」と微笑む。
○…現在は妻と愛犬と暮らし、毎朝どんなに寒くても愛犬と散歩に出る。4人の孫にも恵まれる。「レストランあさおを、今では街にも数が少なくってきた『落ちついて、ゆっくりと食べられる食堂』にしていきたい」と目を輝かせる。シニア層の来店も多いため、得意の洋食に加え和食も学び、アレンジ。「地元の方々においしいものを届け続けていきたい」
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