教育に熱心だった柿生地域で、東柿生小学校のルーツは現在の柿の実幼稚園の辺りにあったという江戸時代の寺子屋まで遡る。その後、麻生不動院での仮校舎開学といった歴史などを重ね、現在の柿生中学校にあった小学校の分教場から独立した小学校として70年前に誕生したのが東柿生小だ。
同校を語る上で欠かせないのが「地域で作り上げた小学校」の逸話。3教室で開校した東柿生小の増築を検討するも行政が終戦後に優先したのは焼け落ちた学校の再建から。そこで始まったのが地域住民による第2校舎の建設だった。校庭を整えてさらに広げる作業や、建設に必要な材木の購入まで地域主導で行われたという。開校の翌年に完成した新たな教室も含め、地元住民らによる「自分たちの小学校」という思いは今でも地域の歴史として語られている。
学校への愛着という部分で見ると、保護者ではなく地域の高齢者らによる「防犯パトロールボランティア」が毎朝通学路に立つという取組みにも表れている。生徒たちがボランティアメンバーと挨拶やハイタッチを交わしながら学校へ向かう様子は長年続いている微笑ましい光景だ。
そんな東柿生小では地域と結びついた授業も多い。小学6年までの間に禅寺丸柿のことを学び、早野のお囃子を覚え、里山では地元ボランティアの協力で自然についての学習などに取り組む。そしてこれら学習の成果は毎年、保護者と地域の関係者を招いて開催される「スマイルキッズ」という行事で披露されている。
白石久美子校長は「生徒と学校に対して温かな眼差しが向けられているのが東柿生小の魅力の一つだと感じています。この地で暮らしてきた人の思いを学びながら、自分たちもそこに居る意識というものも生徒に伝えていきたい」と話す。
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