麻生市民館岡上分館の建物が今年5月で40年を迎える。建て替えが進む川崎市内の市民館、分館の中で最古となる同館では、今でも施設、地域に愛着を持つスタッフと利用住民との交流が続いている。
「中に入ってスリッパに履き替える市民館や分館なんて今時珍しいですよ」。来館者を出迎える石川岳司分館長と、元分館長で今は非常勤として同館に勤める加藤宗一さんは笑う。
明治期に児童が通った校舎から柿生小学校の分校、稲田公民館や多摩市民館などの分室へと役割を変え、1978年に全面改築を経て岡上文化センターが開館。87年に市民館分館に改称された。2階建て約800平方メートルの館内には図書室と児童室含め6室があり、文化サークルの活動拠点やシニア、子育て世代に向けた講座などで活用されている。
石川分館長が「来館された方との挨拶だけでなく、外を歩いていても声がかかることが多い」と話すように他エリアの施設には無い交流が残る岡上分館。そんな同館に魅力を感じ、分館長を退いた後もこの場所に留まった加藤さんは、山梨県から片道2時間半かけての通勤を続けている。「中庭に畑を作ってボランティアと野菜を収穫したり、古き良き地域交流の風景が残っていて職場が楽しい」。
高齢化の波と新たな需要
最近は30年以上活動してきたサークルが高齢化などで解散する知らせを聞くようにもなった。そんな中でも同館の貸室稼働率は2015年度の35・6%から16年度38・7%、17年度44・4%と上がっている。石川分館長は「活動が難しい音楽団体の受け入れが功を奏している。これからも皆さんがより自由に使えるスペース運営を心がけながら、岡上の拠点として顔の見える付き合いを維持していきたい」と話している。
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