女性視点の防災対策を進めよう 川崎市議会議員 月本たくや
女性視点の防災パンフレット
いつ発生するか分からない災害に対し、私たちは日頃から様々なシミュレーションと訓練を重ねていくべきです。
昨年9月、「女性の視点でつくるかわさき防災プロジェクト」等が主催する避難所運営の体験会が開催されました。トイレや更衣室、授乳室等の設置、また女性に必要な物資の対応や性暴力被害の防止等、避難所運営で想定される多くの機会を提供していました。
この取り組みを通じて強く感じたのが「避難所運営に女性視点を積極的に取り入れるべき」ということです。以前「子連れ防災手帖」という本を読んだことがあります。東日本大震災を経験したママ812人が作ったガイドブックで、子どもに必要な防災対策グッズからメンタルケアのことなどに加え、女性に必要な防災術・防犯対策についても書かれています。
川崎市男女共同参画センターでは「女性の視点で作った防災手帖〜シニア版〜」、「男女共同参画の視点でつくる避難所運営ガイド」、「ひとり暮らしの女性のための防災BOOK」が作成され、用途に応じて活用されています。
昨年の12月議会では、これら冊子に重複部分が多かったことから、一つにまとめて読みやすくすることを提案し、市が検討を始めることになりました。一冊にまとめた上で発行部数を増やし、すべての人が理解し、意識を持てるよう取り組むことが今後必要になります。
男女共同参画の基本
昨年発表されたノーベル平和賞で、女性に対する性暴力の廃絶を目指す世界の方向性が強く示されました。
災害時における性暴力の発生は通常時の3倍とも言われますが、どのような環境下でも人の尊厳は守られなければいけません。災害時の安全対策は、女性自身が自助力を高めること、地域で「共助」の視点で取り組むことが大切です。避難所のパトロールに地域のパトロールも加え、在宅避難の一人暮らし女性を守ることも必要です。
このような点から、避難所運営会議メンバーの女性比率を上げるべきと考えます。市内全体の避難所運営会議の女性比率(平成29年6月時点)は、市全体で27・9%、最高が中原区で33・9%、麻生区は市内最低の13・6%になっています。刻一刻と変化する状況に対応していくためにも、女性メンバーを増やすということは大切です。
昨年秋の議会で、私の提案により「避難所運営会議メンバーの女性比率を高めること」が市の施策評価の補助目標の一つに検討されることになりました。これにより非常時においても尊厳が守られる男女共同参画の基本づくりが一歩進みます。ぜひ、女性視点での防災対策について関心を持って頂きたいと思います。
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