新型コロナ対応のため、休校となっている川崎市内の小中学校では、課題配布や臨時登校など様々な対応で児童、生徒が学習できる環境を整えてきた。そんな中、麻生中学校(大和田徹校長)は特別支援級でオンライン授業を5月7日から行っている。対人関係が苦手な生徒も落ち着いて授業を受けられるなど、当初考えていた以上の成果がでているという。
同校の特別支援級には今年度から新しく入った3人を含め5人が在籍している。4月の緊急事態宣言以降、生徒たちは週1回の個別相談日に登校し、体調、健康の確認や学習の状況など先生から指導を受けていた。
オンライン授業は、支援教育コーディネーターで特別支援級を担当する河田貴一教諭らが中心となって準備し、開始した。これまでは課題を定期的に配布していたが、生徒たちから「もう飽きたよ」という言葉がきっかけで、オンラインによる授業に踏み切った。「文科省から、『平常時のルールにとらわれることなく、積極的に活用してほしい」という通達もあり、また大和田校長に相談したところ、『やりたいようにやっていい」と承諾を得て準備を始めました」と河田教諭。
授業は生徒5人のほか、支援級の担当教諭3人と各教科担任の9人で行われる。先生から一方通行の声だけでなく、生徒から先生、生徒同士の声がそれぞれのイヤホンに届く双方向を採用。4月上旬の入学式・始業式で会って以来、久しぶりに全員が顔を揃えた初日のオンライン授業では、双方向性を活かして自己紹介や係決めを行う学活を実施した。その後は英語や数学など通常科目を毎日30分の授業を1コマ行い、5月18日から2コマに増やした。
通常の授業とは違い、直接指導できないので、『見せる工夫』が必要だという。「飽きさせないようにすることが大切で、またノートを取れるように事前にプリントを配布するなど、これまでにない工夫が必要と感じた」と話す。
大和田校長は「学校が再開されれば、通常通り学校で授業を開始します。しかし、今回得た知識や経験を生かして、クラスで一緒に勉強することが苦手な生徒に対して、オンライン授業が新しいアプローチ方法になるのではないかと考えています」と話している。
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