神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
麻生区版 公開:2020年9月11日 エリアトップへ

防災農地 標識設置 3割どまり 市、年間30カ所増で周知へ

社会

公開:2020年9月11日

  • X
  • LINE
  • hatena
防災農地を示す標識(宮前区)
防災農地を示す標識(宮前区)

 大震災時の一時避難場所として活用しようと、川崎市が登録を推進する「市民防災農地」の標識設置が進んでいない。登録農地のうち設置数は全体の約3割にとどまっており、市は年間30カ所の新設を掲げ「市民への周知を強化したい」としている。

 防災農地は大震災時、各地域に指定される避難所へ移動が困難な場合の一時的な避難場所。阪神・淡路大震災のときは農地が避難場所や避難経路として活用された。

 市は防災機能を担う貴重なスペースとして、300平方メートル以上の農地所有者の協力で1997年から防災農地の登録を開始。場所や機能を市民に周知するため、使用上の留意点などを記載した標識の設置を2017年度から進めている。

 市農地課担当者は「安全確保のためのより身近な場所。有事の際、逃げ込めるよう日頃から確認しておいてほしい」と話す。しかし、標識が設置済みなのは登録525件に対し150件のみ。地域住民からは「場所を全く知らないため、いざというとき活用できない」との声も聞かれる。市は通学路や住民の通行が多い場所など優先度の高い所から設置を進め、年間30カ所の新設を目指す。

 一方、登録農家の一人は「標識は作業の邪魔になる」とも。農地が家と隣接する所有者からは難色を示す声もあり、設置が進まない一因といえる。市危機管理室は「防災農地は農家の協力によるもので、設置は強制できない。丁寧に説明を続け、理解を求めていく」としており、イベントや広報物を通じた市民啓発にも努める。

JA、市に要望書

 市と共同で登録を進めるJAセレサ川崎農業協同組合は9月2日、市に要望書を提出。多くの市民への周知方法の検討や、事業推進に必要な情報提供を求めた。

 JA担当者は「人口増も踏まえ、より必要性が高まる。防災農地を増やせるよう協力したい」と話す。一方で「一時避難場所が足りない地域で登録促進を求められるが、そこに農地がない場合もある」と市からの情報不足を指摘。市との連携強化を模索する。今年度の登録申し出は9月末まで受け付けている。

麻生区版のトップニュース最新6

災害時のトイレ、備えは

能登半島地震

災害時のトイレ、備えは

携帯用不備60% 市、啓発に力

3月29日

「もの忘れガイド」刷新

麻生区

「もの忘れガイド」刷新

増える認知症高齢者、支援

3月29日

「こども大学」で学び提供

小田急不動産×多摩大学

「こども大学」で学び提供

3月30日 体験会・講座 

3月22日

11年ぶり、全面刷新(リニューアル)

川崎市ホームページ

11年ぶり、全面刷新(リニューアル)

利便性、視認性を向上

3月22日

「電子商品券」を導入へ

4月から

「電子商品券」を導入へ

市、ふるさと納税の返礼品

3月15日

檜山公園の活用模索

川崎市

檜山公園の活用模索

実証実験2年目で手応え

3月15日

あっとほーむデスク

  • 3月29日0:00更新

  • 3月1日0:00更新

  • 1月19日0:00更新

麻生区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年3月29日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook