連載 79 市民理解が得られないお金の使い方 その1 学校用地の取得 みらい川崎市議会議員団 こば りか子
第5回定例会・決算審査特別委員会では様々な課題が浮き彫りになりました。まずは「新川崎地区小学校新設用地の取得」についてです。
幸区新川崎地区で大規模マンションの複数建設に伴い、小学校の開校が建設計画の遅れで平成29年から令和7年度まで先送りされ、その結果、地価の値上がりで土地代が約5億円、設計のやり直しで約1億円など合計約8億円の増額となり、しかも土地の購入金額は学校建設用地では過去最高の80億円超でした。ちなみに、はるひ野小中の取得金額は約32億円です。
学校用地面積についても、マンション業者から指定された土地の規模が市内小学校平均よりかなり広いうえ、形状が不整形で接道部分が少ないとの理由で約1億3600万円の『残地補償』の支払いも発生。整形地になるよう購入予定地の縮小や学校と残地の位置の入替え等の交渉を行うよう提言もしましたが、この土地購入に関する契約は平成24年1月に行われ、さらに『教育環境整備推進会議』摘録では取得用地の区画や形状、日照問題等について疑義があったものの「事業者からこの形状でないと採算がとれないといわれた」との報告で了承され、そのまま基本協定書が結ばれました。しかし、この基本協定書には、残地補償に関する記述はありません。この残地補償は、文教委員会での審査でも「土地の形状について地権者の経営判断で示された土地であれば市民の理解は得にくい」との指摘もありましたが、子どもたちの教育環境改善のために令和7年までに開校する必要があり、これ以上先延ばしできないとの説明もあり、やむを得ず承認することと判断。しかし代表討論では、『この形状でないと採算がとれず厳しい』とする業者の意向を反映した契約について「事業者が残地補償料を当てにして市と交渉していると捉えられても致し方ない。こうした不明瞭な取引が行われないよう、市民が納得できる根拠を示したうえで今後は取引を進めること」を要望し、この議案を承認しました。
次回は、病院事業会計の不認定について報告します。
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