「スピーカーのオーケストラ」とも称される音響システム「アクースモニウム」の演奏会が11月28日(土)、昭和音楽大学で開催される。楽器の生演奏のように、電子音楽を時間と空間で共有する体験を同大の学生が企画、運営する。
アク―スモニウムとは、電子音楽をコンサートで上演するツールとして1974年に誕生した音響システム。奏者は電子音楽を再生しながら、会場に合わせて配置されたスピーカーの音量を音響調整卓で調整。空間の特性や作品の変化にあわせて、スピーカー一つひとつから発せられる音の強さ、空間、音色、拍節をコントロールする。
演奏会は展示・体験とライブの2本立て。観客自身による音響調整卓の操作やスピーカー周辺歩行など、アクースモニウムを「生」で体験。その後のライブセッションでは、3回のテーマに分けて電子音楽の変遷を紹介。当日は29個のスピーカーを使用。音を純粋に楽しむために、真っ暗な空間の中で行われる。
音の立体感楽しんで
企画制作、運営は、同大で演奏会の制作や企画を学ぶアートマネジメントコースの3年生7人。制作担当の 宮地優菜さんは「今クラシック音楽の演奏会をやろうとしたら制限も多い。でも、いつもと勝手が違うからこそ生まれた」と語る。
演奏者が少ないことや、大量のスピーカーを使用するため、アクースモニウムの演奏会自体は多くはない。演奏会の珍しさに加え、「『いつでも・どこでも聞ける』電子音楽を、一回限りのライブ体験で楽しめる」のが聴きどころだと宮地さん。同じく制作の河端みなみさんは「ライブ3つは時代ごとに使用されていた機材が違うなど、変遷が学べる。3公演まとめて聞くのもおすすめです」と胸を張る。
制作メンバーは「会場自体が一つの作品。立体感のある音楽を楽しめるので、新しいものを見たい方はぜひ体感してほしい」と呼びかけている。
会場は南校舎1階スタジオブリオ(新百合ヶ丘駅南口徒歩4分)。午前10時開場、午後7時閉場。ライブは午後1時、3時、5時からの3回で、有料配信も予定。体験とライブ1回で1500円。購入窓口など詳細は演奏会の公式サイト。
麻生区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|