農業生産法人(株)カルナエスト代表取締役の山田貢さん(岡上在住)が今月5日、川崎市内の農家で初めて果実酒製造免許を取得。生産から醸造を市内でまかなうワインの醸造を年内にも始め、来春にも誕生予定だ。
今回の免許取得は、今年3月に麻生区、多摩区、宮前区が認定された「かわさきそだちワイン特区」を受けたもの。酒税法により、果実酒製造は年間6千リットル(750ミリのボトル8千本に相当)の最低数量基準がある。特区内では、特定農業者が生産した農産物を原料とする酒を、少量でも自前で醸造し、運営する飲食店などに限り提供可能だ。
「都市農業を仕組みから変えたい」と、生産から加工、販売を一体化した6次産業化に取り組んできた同法人。地元農産物を使ったレストラン経営や、産学連携のクラフトビールやジャムといった加工品づくりなどに着手してきた。ワイン作りは、2013年からブドウ栽培を始め、18年には都内の醸造所で仕込まれたロゼワインが完成。山田さんは原料の生産地と醸造地が同じ市内の「川崎ワイン」を作ろうと進めてきた。
免許取得について山田さんは「とにかく大変だった」と苦労を滲ませる。国税局による調査では、会社や醸造技術に関することに加え、キャリアについて答えることも。「ギリギリまでどうなるかわからなかった」と、無事免許を受け取り安堵する。
岡上に醸造施設をつくり、年内にも醸造を開始。来年春には完成させたいという。すでにブドウ70キロを収穫。50リットル分の製造を見込む。「2020年の今年をワインの生まれ年にしたかった」と山田さん。「ワイン作りで、農家の次の段階へ可能性を示していきたい」
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