市民団体「あさおのSDGs」代表を務める 今井 雄也さん 上麻生在住 43歳
手渡せる未来を作り出す
○…「子どもたちに”手渡したい未来”を作りたい」。20年9月に市民団体『あさおのSDGs』を立ち上げた。押し付けるのではなく、相手に選択の余地を与えるために「手渡す」という言葉を使う。「10年後、どんな街を手渡せるか楽しみですね」と笑う。
○…麻生区生まれ、埼玉育ち。高校では陸上部に所属し、やり投げで関東大会に出場するなど活躍するが、高校3年生のときにバイクで事故に遭う。入院8カ月、全治2年の大けがを負い、生死をさ迷った。身動きができない中、集中治療室で支えてくれたのはラジオだった。退院後、大学に進学するも、勇気づけられた”声”の仕事をしたいとアナウンサーの専門学校へと進んだ。
○…アナウンサーとなり、ラジオやサッカーJリーグの試合を盛り上げるスタジアムDJなど活躍の舞台を広げていった。転機となったのは東日本大震災。自分の子どもを見つめながら、「何を手渡せるのだろう」と自問。関心のあった再生エネルギー会社に就職した。発電施設の導入に関わり、「人づくり、街づくり」の楽しさを知る。「1万人ほどの町だったが、『コンビニでおにぎりを買ってただろ』と気にかけてくれてね。仕事として真剣に取り組んでいるから、地域社会に受け入れられたのかな」と感じた。
○…地元の麻生でSDGsを広めたいと企画するも「地元に知り合いがいない」と、区の事業「希望のシナリオ」に参加し、仲間を増やしていった。多世代と関わりを持ちながら、セミナーやイベントを予定している。「未来を考えることは、自分や地域、社会のことを改めて考えること。いろいろな希望を集めて、多くの人に情報を発信できるハブのような組織になれば」
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