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川崎の新時代へ「挑戦」 福田市長、2022年を語る

政治

掲載号:2022年1月1日号

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新年への意気込みを語る福田市長
新年への意気込みを語る福田市長

 2022年の幕開けにあたり、本紙は福田紀彦川崎市長に恒例の新春インタビューを行った。持続可能な社会に向け、プラスチックの市内完全循環や、再生可能エネルギーを扱う電力会社の新設など新たな方針を示すとともに、財政健全化への考えなど喫緊の課題について語った。(聞き手/本紙川崎支社長・有賀友彦)

 ――昨秋の川崎市長選挙で3期目の当選を果たされました。選挙戦を振り返っていかがですか。

 「新型コロナへの対応もあり、平日は公務を優先し選挙運動が十分に行えず、従来とは状況が異なる難しい選挙戦になりました。それでも2期8年の実績に対し、ご支援と今後への期待をいただいたことは、大きな推進力になります」

 ――新たに「48+1項目」のマニフェストを掲げました。中でも、特に優先度の高い重点項目を教えてください。

 「地域包括ケアシステムの推進と脱炭素への取り組みでしょうか。どちらも持続可能な川崎をつくる上で大変重要な項目です。地域包括ケアは、高齢者や障害者、子育て世帯など、それぞれが抱える悩みを地域で支え合う互助の仕組みづくりで、基礎自治体の使命だと考えています。現在100以上の団体・企業の皆さまに『連絡協議会』というネットワークにご協力いただき、理解は進んでいますが、連携面でまだ課題が残されています。生きづらさを感じている人への支援を強化していきます」

市民ニーズに「多様性」100%プラ再生「市民総ぐるみで」

 ――脱炭素への取り組みは、川崎市の産業構造からしても大変意義深いと考えます。2050年までの二酸化炭素排出実質ゼロに加え、「100%プラリサイクル都市」を掲げられましたが、市民にどう意識づけていきますか。

 「今年3月に地球温暖化対策の推進計画を改定し、具体的なプロジェクトを掲げて実行していきます。その一つとして、川崎市が出資し、23年に地域新電力会社を設立します。ごみ焼却時の発電など再生可能エネルギーを市内に取り入れる事業で、今年は設立準備で忙しくなります。市内の二酸化炭素排出量の77%が産業系ですが、30年までに1180万トン減らすという目標は、市内全ての家庭電力の10倍以上をゼロにする規模に値します。まさに市民総ぐるみで進めていかなければ成し得ない挑戦です。市民が出したプラスチックを市内で100%再生させることも、施設と環境が整う川崎市だからこそ実現可能です。市が率先して取り組み、市民に分かりやすく伝えて見える化し、シビックプライドを高めたいと思います」

財政再建の糸口は多目的化・適正化

 ――新たな施策を掲げる一方で、市の財政は厳しい状況です。減債基金からの借り入れが続き、昨年は普通交付税の交付団体へと転換。財政運営と市民サービスとの両立をどう進めますか。

 「高齢者らを支える扶助費などが増え、公共施設や道路、水道管などインフラの老朽化に対する費用負担も膨らみます。その中で今後、資産マネジメント第3期実施方針を実行していきます。両立していくためには、『高齢者』や『子ども』など対象や目的が限定された施設やサービスは見直し、複数のニーズに対応できる多様性を高めたものへと変えていく必要があります。15歳未満の年少人口が今後減少に転じていく中で、将来を見据えた市民サービスを行う必要があります。古くなったから新しくするのではなく、サービスの質は維持し適正化させる。等々力緑地の再編もその一つで、民間の活力で中身を充実させコストを削減する。あらゆる施設で適用したいと思います」

 ――公共工事などのインフラ面では、JR南武線高架化事業は計画を一旦見送る姿勢を見せつつも、工法を変更し進める方針を昨年示しました。財源としては、来年予定されるJFEスチール東日本製鉄所の高炉休止が税収に大きく影響しそうです。

 「南武線高架化は、再検討により工期が短縮され、費用が削減できたことで市民にとってもメリットとなります。財政難の中、今までと同じではなく、知恵を絞る必要があります。川崎の発展を担ってきたJFEの高炉休止は、市にとって一大転機です。高炉の跡地利用は、100年先の川崎の新たな歴史をつくるといっても過言ではなく、次の4年間に与えられた最大のテーマとも言えます。一時的に税収は減るかもしれませんが、何倍もの税収を将来生むような産業をつくれるようJFEとも協力して進めます」

 ――その地域経済や市民生活を脅かした新型コロナに関し、懸念される感染再拡大における市の対策を教えてください。

 「ワクチンの3回目接種には早い段階から準備し、昨年11月から接種券を発送しています。医療提供体制は県全体で見直していますが、川崎市では12月15日時点で県との人口比(県6に対し市1)を上回る病床数477床を確保しています。保健所の体制も充実させるなど、全庁的に支援体制を強化していきます。コロナ禍などで子育て家庭の社会からの孤立が危惧される中、妊娠期から学齢期まで、子どもや子育て家庭を切れ目なく支援していけるよう、専門的な相談支援体制を整えるなど、支援の輪を広げていきます」

危機管理室市長直轄に

 ――地震や自然災害などへの不安も付きまといます。災害対応を担う職員が、経験を積んでも別部署へ異動してしまうことが市民の不安要素でもあります。

 「昨年末に条例案を提案したところですが、これまで総務企画局の管轄だった危機管理室を、次年度から市長直轄の独立組織とし、即時対応能力を高めていきたいと考えています。行政組織内では局相当に位置付け、本部と各区との連携を強化します。防災訓練はコロナ禍でも実施しましたが、重要なのは自助や共助。行政の取り組みには限界があり、市民一人ひとりがマイタイムライン(防災行動計画)を作成しておくことが重要で、自発的な行動を促していきます」

 ――市長が目指す「特別自治市」は、コロナや災害時にも実効性があると主張しています。しかし、政令指定都市制度は、施行された65年前から変わっていません。

 「当時から何も変わらぬまま、税の配分など課題は大きいと感じています。災害や今回のようなコロナなど有事にも、責任と権限を持ち一元的に対応していくことが市民にとって最もふさわしい自治の形だと思います。二重行政を打破しようという大阪都構想とも似ていますが、特別自治市の必要性や課題も含め、市民に分かりやすく説明していきます」

 ――国連で定めた持続可能な開発目標であるSDGsに関し、昨年設けた「かわさきSDGsパートナー制度」は現状、600以上の企業や団体が登録・認証されています。今年はどのように取り組みを加速させて実践的なものとし、市民と共有していきますか。

 「登録することで間口を広げ、認証により具体的な行動レベルに移してもらうという、2段階の設定は良かったと感じています。SDGsのゴールを達成するため、異業種をつなぐ役割を共同事務局である川崎信用金庫と担っていきます。最近、商店街や学校など、身近な場所でSDGsの取り組みが行われています。市内各地で今後広がり、お互いの気づきになれば、行政が推進するよりもはるかに浸透力が高まるでしょう。実践例を広報し、市民の取り組みを後押ししていきます」

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