国内外でのオペラ上演や、声楽家、スタッフの育成を行う(公財)日本オペラ振興会の稽古場が、今月、黒川に新設された。読売日本交響楽団の練習場や劇団民藝の稽古場もある黒川エリア。稽古場の完成により、同会は「地域一帯が、『芸術かおる街』になる。黒川を拠点に、地元の方に喜んでいただけるオペラを発信したい」とコメントを寄せている。
建物は、小田急多摩線黒川駅から徒歩5分、鶴川街道沿いに完成。稽古に使用される大ホールや、レッスンルーム、会議室、事務室、倉庫などを備える。総面積は約1150平方メートル、地上3階建て、鉄筋コンクリート造り。
同会は2019年、黒川に用地を取得。昨年5月に着工し、今月工事が完了した。5月に開館を予定しているが、すでに稽古に使用されており、3月には東京から事務所も移転する。
黒川を稽古場に選んだことについて、同会担当者は「複数の芸術団体の拠点がある黒川の地から、さらに芸術のまち・川崎を盛り立てていければ」と話している。
同会は、西洋オペラ作品を上演する「藤原歌劇団」と、日本の伝統文化に根ざした新作オペラを上演する「日本オペラ協会」の合併統合によって1981年に設立。麻生区内では、新百合ヶ丘にも事務所を置き、昭和音楽大学のホールや校舎、新百合21ホールを会場に主催公演や新人育成公演を行っている。4月には、芸術祭「アルテリッカしんゆり」で藤原歌劇団による『イル・カンピエッロ』を上演予定。
「地域に根差して」
これまでにも、オペラ『カルメン』の公演にゆりがおか児童合唱団や桐光学園合唱部が出演するといった地域交流も行われている。拠点を移すことで、「今後も児童合唱団の公演出演や、教育現場とのかかわりなど、地域に根差した活動ができれば」と同担当者は展望を語る。
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