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麻生区 人物風土記

公開日:2022.12.09

下麻生の就労支援事業所「があでん・ららら」の所長を務める
金森 孝之さん
下麻生在勤 46歳

誰もが居心地いい街に

 ○…下麻生のゆったりとした街に溶け込む、精神障害者の就労支援事業所「があでん・ららら」。クッキーやハーブティーを製造、販売するハーブカフェでは、12月にクリスマスマーケットを開催。手作り雑貨や地場産野菜が並ぶこのイベントは、「コロナ前のコンサートや落語会の代わりに地域と交流する場になれば」と企画した。かつてのようにできない寂しさもあるが、店内には穏やかな時間が流れる。

 ○…目標がなく、あてどなく過ごしていた20代。この期間を家族や友人に支えてもらった経験から、「人とつながり、支援する仕事を」と決心し、同事業所の法人へ。「良い反応も悪い反応も目の前の人からダイレクトに返ってくる」という仕事は日々、充実している。「ららら」の所長は4年目。就労の場として、利用者と一緒につくり上げることを一番に考えている。

 ○…麻生区で生まれ育ち、40年前に「今日から麻生区になります」と小学校で言われたことが印象に残る。高校生の頃、修学旅行から帰ると、「新百合ヶ丘に商業ビルが完成し、急ににぎやかになっていた」のも思い出深い。休日は子どもの習いごとの送迎など、家族と一緒に過ごす時間が至福のときだ。

 ○…職場として戻ってきた故郷には「居心地のいい街」と実感がある。だからこそ「孤立する人がいないよう、居心地のいい場所を作っていきたい」という思いも強い。小学校や近隣住民とのつながりは欠かせない要素だ。今春は東柿生小とカフェのコラボ商品が実現。児童が利用者の体験談を直接聞き、学ぶこともある。「地元愛にあふれた街で、事業所のことを寛容に受け入れてくださっている。新しい形のつながりも工夫したい」と次を見据える。

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