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麻生区版 公開:2024年1月1日 エリアトップへ

新春特別対談 体、精神、社会的なつながりを 山本区長、今会長が語る「健康長寿」

社会

公開:2024年1月1日

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 昨年「平均寿命」が日本一となった麻生区。「健康寿命」の日本一を目指し、取り組みを進めている。今回、山本奈保美麻生区長と、麻生区民生委員児童委員協議会の今富子会長に「健康長寿」に向けた取り組みについて聞いた。(聞き手/本紙・麻生区編集室 中島崇雄)

 ――平均寿命日本一。改めてどのように感じていますか。

 区長「昨年4月に着任してすぐにこのニュースがあり、私としては去年1番印象に残る出来事でした。麻生区を全国区で取り上げていただき、健康体操や地域活動をきめ細かく取材してくださったので、いいイメージが発信できたなと思っています。新型コロナが5類に移行し、イベントもコロナ前に戻ってきている中で、参加された多くの区民の方にも浸透していたと感じます」

 ――平均寿命日本一の要因は。

 区長「麻生区民は健康意識が高いと思います。それは健診の受診率の高さにも表れています。令和4年度の川崎市高齢者実態調査でも、15分位だったら歩くと回答されてる方が多かったです。緑が多いということも影響しているのかもしれません。ガン、心疾患、脳血管疾患の三大疾病が、男女とも低いことも要因に挙げられると思います。区民まつりで、長寿ブースを設け、医療機関の方に相談や情報提供していただいたり、測定コーナーにも大勢の人が来てくださって関心の高さが直に伺えました」

 ――民生委員児童委員として見守りや相談といった活動をされていますが、麻生区の高齢者の特徴はありますか。

 会長「区民一人ひとりの健康意識が高いと感じています。歩くことが健康に良いと思うと同時に、経済的な余裕がある人が多く、夫婦でウォーキングしている姿をよく見かけます。積極的にいろいろなものに参加していることが健康につながっていると思います」

 ――お2人が考える健康とは。

 区長「歳をとると、肉体的に衰えていくので、それをとどめていくことが健康長寿につながると思います。WHO(世界保健機関)は健康の定義を『ウェルビーイング』であるとしており、ウェルビーイングは単に病気ではないだけでなく、精神的なものや社会的なつながりが満たされて、初めて健康になるそうです。区役所としても、体の健康に重視して働きかけていくだけでなく、精神的な健康、社会的なつながりを維持していくための居場所づくりや、皆さんの趣味や活動の支援を行っていきたいと考えています」

 会長「心身の健康という言葉がありますが、心と肉体の健康のバランスが大事だと感じます。これは自己の意識や努力ですけど、市や区から提供される物資的支援も、大きな影響をもたらすと感じています」

 ――活動されている中で高齢者が求めていると感じるものは。

 会長「居場所ですね。家族以外の知人や友人と過ごせる時間、気軽に過ごせる場所を強く求めていると感じます。区内では茶話会などが開催されています。そこで高齢者はニコニコと長くお話していて、そういう場所を求めていると思います」

 ――麻生区が健康長寿を目指すうえで必要だと思うものは。

 区長「好きなことが出来る場所や、身近にいい芸術や文化に触れる機会があるとか、心を豊かにする活動ができる場所を充実させることが健康長寿を目指す上で必要です。体の面では、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると言われている中で、認知症予防や、ロコモ、フレイル予防に取り組んでいく必要があると思います」

 ――健康長寿を目指すうえで行政に求めることは。

 会長「高齢者のフリーパスの効果は大きいです。退職後の過ごし方や、居場所探し、友達づくりなどの講座を開催してもらっているのはありがたいです。皆さん、そうした情報をよく知っています。知らない人、 認知症の人たちにその情報をどう届けるかが課題です。麻生区は老老介護が多く、病気のご主人が入院先から帰されても、奥さんが初期の認知症で面倒が見きれない。最期は家で看取ると言っても負担が誰かに集中してしまう。少しでもみんなで分散していくことが、地域包括ケアシステムだと思うんです。地域資源がないと難しく、理想と現実の問題があります。健康長寿日本一を目指すうえで、そこも考えていく必要があると思います」

 ――若い世代ができることは。

 区長「平均寿命は、高齢者に限らず全世代で出しているものなので、若い世代や、働き盛りの人に対しても啓発していく必要がある思います。男性だったら喫煙率、女性だと必要以上に痩せることは骨粗しょう症にもつながる。高校生や親、社会に出る世代にもしっかり健診を受けてもらいたいです」

 ――健康で気をつけていることはありますか。

 会長「歩くように心掛けています。食事は、油物を少なく、タンパク質、野菜、鶏肉は胸肉を食べるようにしています。ストレスは貯めないようにしていますが、難しいですね」

 区長「歩くようにしています。市のアプリ『かわさきTEKTEK』で、区役所内でグループをつくって順位を競っているんです。みんなと競うことが歩くモチベーションになり、励みになっています。あと区役所を出たら、仕事のことは1ミリも考えないことにしています。なるべくストレスは溜めないようにしています」

 ――健康長寿に向けて、今後取り組んでいくべきことは。

 会長「高齢者と会った時に、いろいろ話しかけてよく観察すること。我々の話し方によって安心感とか信頼感を持たせるように、民生委員だから話すと高齢者から思ってもらえるようにしていきたいですね」

 区長「体が健康なのはもちろんですが、生活に張りがあることも大切だと思います。居場所があることも重要です。福祉の側面だけではなく、地域活動や、区民の皆さんがやってみたいと思えるような活動の支援や、気軽に参加できるような事業を提供していきたいと考えています。セーフティーネットとして、民生委員児童委員さんの活動や、地域包括支援センターの重要性が大きいと思っています。地域にこういうのがあるんだよというのをきちんと地域の皆さんに啓発、周知していきたいと思います」

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