全日本実業団ベンチプレス選手権大会で1位に輝いた 板垣 秀明さん 麻生警察署警部補 50歳
”日本一の鍛錬”で地域守る
○…「やっぱりおまわりさんは強いなあ」。ライバルからかけられた一言は、最高の褒め言葉となった。先月22日、さいたま市記念総合体育館で行われた「全日本実業団ベンチプレス選手権大会」に、神奈川県警察代表として参加。昨年のマスターズIクラス100kg級に続き、マスターズIIクラス105kg級でも優勝を果たした。「今までの積み重ねが実を結んだ。警察官が強いということを改めて証明できてよかった」
○…高校生の時、警察官になる決心をした。1年間、警察学校で厳しい規律に囲まれた寮生活を送った。「制服に身を包んで、市民に1番近い現場で働きたい」と、地域課での勤務を希望した。ベンチプレスを始めたのは警察官になってから。平成11年に椎間板ヘルニアを患い、手術を受けた。医者から「今後、交番での勤務は無理かもしれない」と言われ、目の前が暗くなった。それでも地域に根ざした仕事が諦めきれず、治療とリハビリを続け、半年後に職場復帰を果たした。その後もトレーニングを欠かさず、わずか5年後に初挑戦した「横浜市ベンチプレス大会」で表彰台のトップを飾った。
○…全日本大会を終えたその足で、妻と共に宮城に住む妻の実家に行き、優勝を報告した。「自分が大会に出られるのも家族のおかげ。休日も欠かさずジムへ行くのを、文句も言わずに送り出してくれることに感謝」。家に帰れば夫であり、大学3年生になる娘の父でもある。「家族を守りたいという気持ちが、いつも根底にある。この気持ちがやる気にも繋がっている」
○…今後の目標は実業団の大会だけで満足することなく、日本の頂点を目指すこと。世界に通用する実力をつけるべく、日々トレーニングに励む。「努力した分だけ必ず結果が返ってくる。麻生区の安全を確保するためにも、日々身体を鍛えていくつもり」。力強くも優しい眼は、さらなる高みを見つめる。
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