市民団体が請願提出 「学校に専任司書を」 趣旨採択に「第一歩踏めた」
市立小中学校の図書館に専任司書の常駐を求める請願が13日、市議会で全会一致の趣旨採択となった。請願を提出したのは麻生区内の市民団体。本の専門家である司書が常駐することが子どもの知能育成やより良い図書館活用に繋がるとして署名活動などを行ってきた。
川崎市では現在、各区に3人の「学校図書館コーディネーター」を配置している。コーディネーターは週2日、計13時間の勤務の中で区内の小中学校を巡回する。各学校での勤務は1校あたり月に一回程度。最長で5年の勤務となり、それ以降は同じ人材を採用しない。
請願を提出した「生きた学校図書館をめざす会」(=区内王禅寺西)の二宮アユミ代表は「このような勤務体系ではいつでも子どもたちが好奇心の赴くままに訪ね、よい本と出会える学校図書館本来の役割から離れてしまう」と指摘。娯楽的な側面だけでなく学校図書館として子供たちが学習にも継続的に図書館を利用できるよう、環境を改善してほしいと訴える。
同会では04年の発足以来、専任司書の常駐を求め、教育長との面談や市長への要望書の提出を行ってきた。今回の請願は6187人分の署名を添えて今年6月に提出していた。
市はこれまで常駐の専任司書配置を行わない理由について▽ほぼ全校に司書教諭が配置されていること▽図書ボランティアやコーディネーターが学校図書館を支えていることなどをあげ、「160校を超える市立小中学校すべてに人員を配置する予算をただちに捻出するのは困難」としてきた。神奈川県内では横浜市なども現在配置を見合わせているが、同じ政令指定都市では相模原市が全校に専任司書を配置している。
議会での趣旨採択を受け二宮代表は「まずは第一歩が踏み出せたように思う。今後も教育長との面談などを継続し、子どもにとってよりよい図書館の実現へ向けて活動していきたい」と話している。
|
|
|
|
|
|