多摩川なし 出荷始まる お盆にはピークに
江戸時代から川崎市内で栽培され、地元の名産として親しまれる「多摩川なし」が初出荷を迎える。様々な品種の梨が、9月末頃まで順に出荷され、続々と店頭に並ぶという。
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多摩川なしは地元の名産としても名高く、「かわさき農産物ブランド品」にも指定されている。約360年前の江戸時代初期から川崎で栽培された記録が残っているなど、長い歴史をもつ。
区内早野で梨栽培を行う金子梨園(早野727)の金子昇さんによると、今年は7月初旬の気温が上がらなかったことに加え、少雨から生育への影響が心配されたが、7月下旬の気温の上昇を受け順調に生育している。一部の農家で、果実の割れや黒ずみを引き起こす「黒星病」が発生したが、出荷に大きな影響はないという。
金子さんは「今年は暑くなると言われているが、梨にとっては好材料にもなる。今年は昨年よりもおおぶりの、甘くおいしい実になるのでは」と話した。
約10品種が続々出荷
同農園では、約10品種の梨が育てられている。初めに出荷されるのは甘みが強く。歯ざわりがしっかりとした「愛甘水(あいかんすい)」と呼ばれる品種。そのほかにもみずみずしい「幸水」や、濃厚な味わいが特徴の「豊水」などが順次出荷されるという。中でも、近年は大玉で糖度が高い「あきづき」が人気を集めており、全国的な出荷量の増加が見込まれているという。「品種ごとに味や収穫時期が微妙に異なる。中には品種を指名して予約する常連客も多い」と金子さんは話す。
梨の出荷はお盆の時期にピークを迎え、9月末頃まで行われる。区内各所の直売所でも、多くが8月から販売を開始し、9月の末頃まで直売を行っているという。
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